弟は三途の川を渡ってないから・・

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店のフロワーにスタッフを一人増やしたせいか お客さまの反応が良くなったような気がする。一人増やして厨房が一人減って私は更に忙しくなった。仕入れもバタバタして行く。そんな中 介護施設から電話。今度はなんだ、96の叔母がコロナに感染したと、幸い熱も脈も変わりが無いとのこと。安心したが 妄想がひどいらしい。何を言っているのかと尋ねると「隆三があの世で呼んでいる」と、そればかり一日中言っているそうだ。介護士に伝えた。「その人は弟で生きているからと伝えて。」・・その弟は死んでから連絡をくれと言った一番下の弟だ。叔母は結婚もせず、実の母親を100歳まで看取ったら、自分は70超えていて自分の介護は誰もいなかった。叔母はキノコの生えた布団で寝ていた。何十年ぶり挨拶に行った私がそのパンドラの叔母の玄関を開けてしまった。そして面倒をみることになった。これぞ本当のババ抜き・・・。ついでに 妄想で私の名前は呼んだ?と聞くと「・・・・・・」まぁ、そんなもんだ。幼い、いい時代を思い出すのだろう。私も90歳を超えた時は誰を呼ぶのだろうか・・・。

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