抜け殻なんか いらない

蝉は泣かなくなった。ゴミ屋敷だった部屋が片付いていく。不思議に彼女も明るくなっていく。「もう飛行機チケットも買ったよ」って。やっと息子の家にいく決心がついたようだ。36年住んでいた。子育、離婚、子供の結婚、親の面倒をみてそして親の他界。36年の思い出つまった家具を捨てる、これは踏み台なのだ。新しい人生の。今度は子が親をみる。親の踏み台なんかいらない。ここにいて思い出に浸っているより思い出を作らなきゃ!私のライバルがまた遠くに行ってしまう。淋しくなるなぁ〜。親父の部屋も空いて、その下の部屋も空いてしまう。残された者は思い出しか残らない。どこに飛んで行って鳴くのだろう。抜け殻残して。

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