打ち上げ花火

ひとりごと
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まさかではあるが 猫が死んだらボケてしまったのか?彼にはルーティンがあった。朝は猫の食べ物と猫のオムツをイオンに買いに行く。昼の行動は知らないが夕方になると夜な夜な風を切ってタクシーで繁華街・・・・高級寿司屋は女を連れ そこまでない場合は安い居酒屋で・・。彼はその生活が永遠に続くと思っていた。周りの人達もそう思っていた。急変したのは 母親と姉さんが同時に亡くなってからだだった。当てにしていた金がどこからも出てこなくなってしまったのだ。金だけの付き合いだったのか誰もいなくなってしまった。そんな彼に残ったのは帰りを待つ猫だけ。そしてその猫も老衰した。本人も老人になっている。直腸がんになってしまっていた。それでも綺麗な病院がいいのだと金もないのに駄々をこねる。このへんから少しおかしな行動をとるようになってしまった。病院から抜け出しマンションに帰ってくるのだ。オムツのままで部屋がわからないとマンションをウロウロしていると管理人から言われる。だが夕方になるとシャキッとなっていい服に着替え夜の繁華街へ・・。彼のルーティンだ。これはやばいと包括支援と管理人と部屋に行くことになった。ドアは鍵をしていない。育ちは良かったのだろう 部屋は片付いている。テレビの前に布団を敷き寝ているようだ。自分で餌の取り方を教えなかった親の責任かもしれない。今は精神科病院に入っている。今も朝になると電話が来る。部屋の鍵を閉め忘れたかもしれないから見に行ってくれと。テレビがないから持って来てくれと。本人はそこがどこなのかもわかっていないようだ。それはそれでよかったのかもしれない。行くところがあっただけでも。彼の花火大会は終わった。

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